クレジットカード

日常生活において,クレジットカードで支払を済ませることはよくあることです。

手持ちの現金がないときなど,クレジットカードで決済できるのは大変便利です。

しかしながら,お店でお酒を飲んで,ぼったくりで多額のお金を請求され,手持ちの現金がなく,クレジットカードで支払をさせられたなどの被害を聞きますので,クレジットカードの使用にはトラブルもあります。

では,そのような時に,クレジットカード会社からの請求を拒めるのでしょうか?

参考となる裁判例があります。その裁判例では,女性販売員から思わせぶりな言動を交えた勧誘に応じて,指輪2点とネックレス1点を代金合計157万5000円で購入しました。その支払については,クレジットカード契約を販売店とは別のクレジットカード会社と行って,済ませました。後日に,その指輪を査定してもらったところ,併せて10万円程度の価値しかなかったそうです。

裁判例では,女性販売員が所属している販売店との契約については,公序良俗違反により無効としました。

しかし,クレジットカード会社との関係では,異なる判断がなされました。裁判例では,基本的に,個品割賦購入あっせん一般(クレジットカードで商品を購入することです。)について,売買契約(販売店との契約です。)が公序良俗に反し無効であるときでも,立替払契約(クレジットカード会社との契約です。)も無効となるという考え方は取っておりません。「販売業者とあっせん業者(クレジットカード会社)との関係,販売業者の立替払契約締結手続への関与の内容及び程度,販売業者の公序良俗に反する行為についてのあっせん業者の認識の有無及び程度」を考慮して,「特段の事情があるときに」,立替払契約を無効とする場合があると述べています。

何の疑いもなく一体の取引であると考えてしまいがちですが,基本的に,販売業者との契約とクレジットカード会社との契約は,あくまでも別契約である点を忘れてはならないのです。

先程の質問への回答については,原則から考えると,クレジットカード会社からの請求を拒めないとなるでしょう。しかし,例外的に特段の事情があるときは,拒める場合もあるのです。その判断は,かなり難しいと思いますので,安易に考えず,専門家に相談したほうが良いでしょう。

 

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